住んだことはないのだが、不思議と縁がある街が福岡である。前の仕事では先輩社員について客先周りにも同行し、博多で楽しく飲んだものだ。なっといっても福岡は飯が美味い、しかも安い。
さて、その地に初めて降り立ったのは、大学生の時である。自分の旅行プランを友人に付き合わせるというなんとも傲慢な旅だった。友人は福岡で幼少期を過ごしていたので、九州の中の回り方についてはアドバイスをもらっていた。
この際なので行程も書いておくと、地元の神奈川を出てから、長距離フェリーさんふらわあ号に乗るためにわざわざ大阪南港に寄り、鹿児島県は志布志港に降り立ち、指宿で砂風呂を満喫し、天文館で鹿児島に住んでいる友人と会ってから、土砂降りの中を出水まで走らせた。翌日は熊本、福岡とレンタカーで上っていった。旅も終わりに差し掛かり、バイト先のお土産を何にしたものかと悩んでいると、友人は「博多通りもん」という銘菓が定番と教えてくれた。バイト先にそれを持って行ったら、誠に好評であった。以来、大事な人に買って帰る福岡土産は、博多通りもんになった。
さて、博多通りもんが出たところでようやく今日の本題である。
先日、名古屋と福岡へ行っていた。名古屋は友人に会うため、福岡訪問の目的はとあるオフ会である。脱サラした2017年を最後にそのオフ会からは遠ざかっていたが、コロナ情勢が変わったことを受けて、久々に開催されることになったのである。そこからは、迷いなく土曜日に休みを取れるようにシフトを調整し、高速バスと新幹線の切符を取り、参加表明を出した。そして、宿はどこにしようかと思案していると、メンバーの方から私の家に泊まりませんかというこれ以上ないご厚意があり、全力で甘えさせて頂いた次第である。
果たして6年ぶりくらいのオフ会は最高に楽しかった。常連の方ともお会いすることが出来て、10時間にも渡る会はあっという間に終わってしまった。6年前との違いは、コロナ禍でカラオケにほとんど行くことがなく、歌が下手になったのと、はしゃぐための体力が落ちたことである。メンバーのある方からは「シュッとしましたね」と声を掛けられ、確かに暴飲暴食する機会は減って体重もサラリーマン時代から3、4キロ減って少しスリムにはなったのかもしれないが、10年前の写真と比べると加齢によってやつれたなと思う。趣味を楽しむためには体力も必要と改めて感じた福岡遠征であった。オフ会以外にも、ローカル線(平成筑豊鉄道)への乗車も果たし、そちらの方の趣味も満喫してきた。
さて、博多通りもんの話をずっと放置してしまっていた。新幹線の時間まで余裕があったので、小倉駅でお土産を探していると、ある異変に気が付いた。博多通りもんが、なかったのである。
1軒目に置いてなかったのは、自分の探し方の問題か、はたまた契約の問題かとも考えたが、2軒目の更に大きな土産物店でも置いていないのを見て、流石にこれはおかしいと感じ、まさかと思いインターネッツで調べてみると、「卵不足で北九州地区での販売を3月から中止している」とあった。今回は職場にお土産を買う予定はなかったので、別にそれほど影響はないのだが、こんなところに波及しているとはクリビツであった。(2023年11月現在、通販の中止は継続している。)
あと何度福岡に行けるかは分からないが、住んだことがないのにこれほど縁のある地もなかなかないなと思う。自分の人生はロックではないかもしれないが、時には私にとってのロック大陸である福岡に足を踏み入れて仲間と漫遊するひとときをこれからも大切にしていきたい。

