まさかこの歳になるまで数年ごとに試験を受けることになろうとは思ってもみなかった。
とはいえ、こうした人生になったのは、自分の選択の影響というのもあるので、仕方がないといえばしかたのないことだと思う。
今回は、社会人になってから大学院入試を受験したときのことを振り返って、試験対策について考えてみます。たぶん、私と同じようなことを書いている人はたくさんいると思うし、私の考え方は間違っていると書いている人もいるかもしれません。それでもいろんな人がいろんなことを自由に書くことができるのがブログのいいところだと思います。
人の気持ちは面白いもので、ハリボテの自信は、悪い結果によって本当にいとも簡単に崩れ落ちてしまうもので、そうなるとその先に受けた試験の出来栄えすら疑い始め、「あそこは解答出来なかった」「あの質問への受け答えは不十分だった」などのよからぬ考えが頭をもたげてくるのである。
以下に書く内容は、勝利を常とする読者の方々からは、「そんなの当たり前のことですよ」と鼻で笑われるくらいの内容でしょうが、何らかの参考になれば、また、今後の自分のためにも書いてみようと思います。
結論:(試験以外の大体のこともそうですが)試験は、どれだけ充実した事前準備が出来たか。これに尽きると思います。
身も蓋もない言い方であるが、これがまわりみちをしてきた農耕馬の結論です。では、以下に詳しく書いていきます。
当日、不運にも事故に遭ってしまったり、体調を崩してしまったりすることは、実際問題として十分あり得ることです。
しかし、それを回避する確率を限りなく上げることはできます。例えば、1つアクシデントがあっても間に合う時間に出発するとか、カバンに現金をいくらか入れておく(万一、財布を忘れても取りに帰らなくて済む)とか、本番の数日前からは勉強よりも体調管理に軸足を置くとか、いろいろなリスク回避の手立てが取れるはずです。こうした事前の万全な準備をもってしても、アクシデントが起きる時は起きますけどね。ところがそんな時は不思議とテンパらず、冷静に最善手を選ぶことができるものです。
脱線してしまったので、本題に戻ります。試験対策の基本は以下の3点です。
- 絶対的な学習時間の確保
- 出題傾向の研究と対策
- インプットとアウトプットの明確な区別
この3つについて、一つずつ説明していくことにします。
絶対的な学習時間の確保
筆記試験の対策の基本は何と言っても勉強することです。
ふざけるなと言われるかもしれませんが、人並み外れた記憶力や理解力なんか持ち合わせていない人間には、反復演習が欠かせません。
当然、反復するためには、絶対的な時間が必要なので、勉強時間を確保することは何よりも重要です。
バリバリ仕事をこなしながら、難しい資格を取ったり、大学院入試に合格したりする社会人の成功体験が、巷のビジネス雑誌や自己啓発書には掲載されていますけど、ああいう離れ業ができるのは、普段仕事に取り組んでいる時から、目標までの最短距離を割り出し、極限まで効率よく物事をこなすことを当たり前のようにやっているからであって、およそ平凡なサラリーマンが彼ら彼女らの真似をしようとしたところで、「あれ、おかしいな」となるのが関の山です。(少なくとも私はそうでした)
そういう意味で、私は私の勉強の能力が衰えていることを潔く認めて、仕事もスッパリ辞めて勉強に集中するための絶対的な時間を確保することにしました。
(予定ではあと1ヶ月早く退職するつもりだったんですが、こちらは私の見通しの甘さが露呈し、後ろへずれ込んでしまいました。それでも、退職することを秘かに肚に決めてから、隙間時間でコツコツと引継資料を作成しておいたので、円満に退社することができました。今でも前の会社の人とは時々連絡を取り合ったりしています。)
出題傾向の研究と対策
予備校の先生なら必ず教えることですが、流石は試験のプロ、試験において、出題傾向の研究ほど重要なことはないかもしれません。
10年以上の時を経て、改めて浪人していた時の予備校の先生を尊敬の念を送ります。
これって、受験の世界における常識中の常識だと思うのですが、試験においては、「出題された問題に正答する、もしくは最低でも部分点が取れる」ことが全てであって、「間違えたけどそれは知ってた」「そういう問われ方をすると思わなかった」「時間があったら解けた」といったことにはゴミほどの価値もありません。
そういう訳で、点数を稼ぐのに欠かせないのが、出題傾向の研究です。出題傾向においては、以下の5つのポイントを押さえることが肝要だと思います。
- 試験時間
- 出題形式
- 配点
- 頻出分野
- 逆にあまり出題されない分野
そして、こうした分析には過去問の入手が欠かせません。
過去問が非公開の試験のやりにくいところは、こうした分析が難しいことです。反対に、資格試験は過去問が公開されており、市販されている問題集にはご丁寧に出題傾向の分析まで掲載してあるのだから、これを利用しない手はないし、満遍なく勉強してそれでも合格できたのなら、本当に穴がないほど学習していたという意味ですごいとしか言いようがありません。
さて、私自身はというと、説明会に参加して過去問を入手することができ、最初は「これは結構キツそうだな…」とかなり弱気になっていたものの、開き直って出題傾向の研究に数日を費し、どの分野を集中的に勉強するかを決めました
インプットとアウトプットの明確な区別
これについては、私自身とても苦い経験があります。私が経済学部の1年生であった時に「マクロ経済学」という必修科目がありました。
私も朋友たちと同様、1年生の秋には授業をサボるという麻薬の味に魅せられていたのですが、自分はたまたまこの「マクロ経済学」には毎回出ていました。
担当教官が、授業中私語をしていた学生に「そこの奴うるさい!俺はヤ◯ザだぞッ!!!」という独特の説教をしていたのが、今日まで唯一残っている私のマクロ経済学に関する記憶です。
今振り返ってみれば、講義の理解自体が相当あやふやだったのですが、「財政政策」とか「経済成長」とか言葉の概念そのものが特別難しいということはなかったので、ノートはしっかり取ってなんとなく理解したつもりでいました。
そして、私の授業ノートは授業をサボった友人たちからとても重宝されました。
ところが、迎えた期末試験当日、問題にまったく手が出ないという事態に直面しました。
前置きが長くなりましたが、つまるところ、「ある経済的な現象を説明するために、適切な理論を使い、その上でちゃんと数学が出来ないと点数はあげないよ」ということが、大学生の時の私には分かっていなかったのです。
かくして、私は授業に出ていながら必修科目を落とすという、一番ダサいことを経験しました。
当時、私がやるべきだったのは、演習問題や予想問題を自力で解けるまで何回も反復すること(アウトプット重視)であって、ノートをきれいにまとめ直すこと(インプット重視)ではなかったということです。
すなわち、インプットした知識が、必ずしもアウトプットできるとは限らないということです。
例えば、Aという現象について問題が出された時に、選択問題や正誤問題(ヒントあり)なら正解できても、「Aという現象について説明しなさい」という記述問題や、「Aという現象について触れながらあなたの考えを述べなさい」といった論述問題が出された時(ノーヒント)に、どうしていいかわからなくなってしまったら、その知識はノーヒントではアウトプットが出来ないということです。
時を経て、今回の試験では記述問題や論述問題の比率が大きかったので、この点にはかなり神経を使いました。
私は丸々文章を暗記するのは得意ではないので、ある用語を説明するために重要なキーワードをしぼって覚えることにしました。
あとはなるべく多くの時間を掛けて、書いて読んで思い出す練習を泥臭く繰り返しました。
長くなりましたが、以上3点が、今回の筆記試験の鍵であったように思います。繰り返しになりますが、1も2も3も全然特別なことは一つもありません。プロが推奨することをバカにしないで真似しただけです。でも、それを信じて真似を継続するのが意外に難しかったりもするんですよね。(急に「このやり方ではダメだ。俺には俺のやり方がある」と思い立ったりしてしまうんですが、これはよくないです。)
いずれにせよ、今回は結果が伴ってホッとしています。
過去のことを思い出して書こうとすると、いくつも情けなくなるような失敗をやらかしてきたという事実に、どうしても直面せざるをえないのがつらいところですが、今回は珍しく成功体験について振り返るという超レア回なので、甘んじて過去の失態も開陳することにいたしました。
ではまた。
